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フェンシングの電気審判機の歴史

フェンシングの剣には導電性の鋼線が内蔵されており、有効面に接触すると電気信号が発生します。それが電気審判機に送られ、審判員が正確に判定することができるようになっています。

 

今では当たり前の、このような機械判定システムは、19世紀末から20世紀初頭にかけて開発されました。それまでのフェンシングは、着色料などによる剣の接触の確認や打撃音などによって判定が行われていましたが、これは判定が主観的であったり、審判者の判断によって勝敗が左右されることがあったりするという、公平性の問題がありました。

 

電気審判器の初導入

そこで、電気信号によって接触を検知するシステムが考案され、1936年、電気審判器による判定が、エペ競技に始めて導入されたのです。当初はまだ未熟な技術であったため、剣の接触に対して不十分な反応を示すことがあったため、改良が進められました。そうして徐々に精度が向上していった結果、1957年にはフルーレに、1988年にはサーブルにも導入されています。

 

現代のフェンシングにおいては、電気システムは欠かせないものとなっています。このシステムによって、より公正かつ正確な判定が行われるようになったので、競技性が向上し、競技人口も飛躍的に増えていったのです。