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フェンシングの構え方

試合前に「アン・ガルド!(構え!)」という合図を受け、選手たちはマスクを装着して構える必要がありますが、フェンシングにおいて、構えは非常に重要な要素です。構えがしっかりしていることで、常に冷静でいられ、的確な攻撃を繰り出すことができるためです。

 

構え方のポイント

まず脚の構えは、カカトとカカトが同じライン上に乗っている状態がベストで、スタンス幅は肩幅程度にしておきましょう。

 

上半身については、力みは大敵なため、肩や腕に力を入れすぎず、リラックスして構えることが大切です。そして腰を落とし高さを保つことで、重心を安定させ、素早い反応が可能になります。また、視線を常にまっすぐに保ち、顔は利き足の向きに合わせることで、より正確な攻撃や防御が可能になります。

 

構えにおける上半身と下半身の役割
 

上半身の役割:突く、よける、バランスをとるなど。下半身の動きに関わらず、常にリラックスした状態で、安定していることが重要になる。
下半身の役割:ステップワーク。突く為に相手との間合いを詰めたり、攻撃をかわしたりする上で重要になる。ステップワークをスムーズに行う為には股関節の柔軟性を日頃から鍛えておく必要がある。

 

さらに、剣先を相手の鼻の位置程度の高さに維持し、「体温計を挟むようなイメージ」で脇を閉じておく、そして肩・肘・手首は同じライン上にくるように構えることも重要です。これにより自分の攻撃の命中精度を安定させることができます。

 

正しい構えを維持する為には

試合中は、構えたまま動かず、睨み合いになるような場面もありますが、構えの姿勢を維持することは、非常に難しいことです。しかし構えを崩せば大きな隙となり、一気に流れを持っていかれてしまいます。そのため、日頃から構えを鍛えることが非常に重要で、筋力トレーニングやバランスを取るトレーニングなどを行い、構えの姿勢を自然に保てるようにすることが重要です。